ニッポン経済曲がり角(3)米トランプ政権誕生以降、経済中心となった国際関係を読み解く
「はじめての地経学」国際文化会館地経学研究所編
街なかのランチタイムの値上げ幅の大きさに驚く日本経済の現状。このままでいいのか。
◇ ◇ ◇
「はじめての地経学」国際文化会館地経学研究所編
地政学(ゲオポリティクス)は広く知られるようになった。地球全体の地理と政治体制・状況とその歴史を重ねて、主に政治・軍事的観点から国際関係を捉えるのが地政学だ。
それに対して本書は「地経学」(ゲオエコノミクス)を唱える。関税、輸出規制、投資制限、金融制裁、技術アクセス、データ管理など経済的なツールが国家の安全保障や戦略的利益の中核を占める時代の考え方だという。米外交問題評議会の言い方では「経済による戦争」。この方が分かりやすい理解の仕方だろう。
これが注目されるようになったのは米トランプ政権の登場から。「俺はビジネスマンだ」を連呼するだけに経済的手段をその場限りの外交と安全保障の手段にして恥じない。
が、その結果生じるアメリカの国際的信用の下落や永続的な同盟関係への疑いなど、憂慮すべきことは山積み。とすれば地経学はそのリスクをうまくコントロールするための技術論であるべきだろう。
本書は東京・六本木にある公益財団法人のシンクタンク部門による日米関係への状況分析と提言。経済中心の国際関係の時代になっても、やはり日本にとっては米中関係こそが最大の懸案であることを再確認させられる。
(朝日新聞出版 1100円)


















