“世界ランク1位”の座を捨てて甲子園へ 享栄・上江滝拓未「将来はプロかバスの運転手」

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 享栄の右サイドハンド・上江滝拓未(3年)は、今大会で最もユニークな経歴を持つ投手かもしれない。

 昨秋はベンチ外だったが、今春に急成長。春の県・東海大会では22回3分の2を投げてわずか1失点。愛知大会でもチーム最多の25回3分の2を任され、2失点に抑えた。決勝では愛工大名電を相手に1失点完投。31年ぶりとなる甲子園出場の立役者となった。

 履正社との初戦は五回からリリーフ登板、4回3分の1を5安打3失点(自責2)、2奪三振、無四球だった。

 そんな右腕は、とてつもないものを捨てて野球と向き合う道を選んでいた。

「『Call of Duty(CoD)』というゲームで世界ランク1位を取ったんです。小・中学生のころはコロナ禍。起きている時間のほとんどをゲームに費やしていました」とは本人。この「CoD」は世界の数千万人が競うシューティングゲームだ。

 当時、野球ではまったく目立たない存在だった。進学先もなかなか決まらず、享栄に「拾ってもらうような形」で入学。すぐにではなかったが、やがてゲームを封印した。コントローラーを白球に握り替え、野球に没頭。大藤監督も驚く成長曲線を描き、甲子園のマウンドまで駆け上がった。

 卒業後は大学へ進学する予定だ。

「大学でも野球を頑張って、プロを目指したいです。もし厳しかったら、バスの運転手になりたい。電車より、バスです」

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