著者のコラム一覧
荒川隆之薬剤師

長久堂野村病院診療支援部薬剤科科長、薬剤師。1975年、奈良県生まれ。福山大学大学院卒。広島県薬剤師会常務理事、広島県病院薬剤師会理事、日本病院薬剤師会中小病院委員会副委員長などを兼務。日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師、日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師といった感染症対策に関する専門資格を取得。

尿路感染症が疑われても「とりあえず抗生剤」はNG

公開日: 更新日:

 夏は汗で体内の水分が減りやすく、膀胱炎が増加する季節です。膀胱炎などの尿路感染症を疑った際、いつ、どのように受診すべきかを示した最新の指針「アン・アーバー・ガイド(Ann Arbor Guide)」を紹介します。

 米国疾病対策センター(CDC)の推計によれば、外来で処方される抗生剤の約3分の1は、じつは不必要だったとされています。抗生剤の不要な服用は、薬が効かない「薬剤耐性菌」を生む原因にもなるため、専門家チームはオンライン診療の普及も踏まえ、適切な判断基準をまとめました。

 まず、多くの人が不安に感じる「尿の色が濃くなった」「臭いが気になる」という変化ですが、これらだけでは検査も抗生剤も必要ありません。水分不足や食事、ビタミン剤の影響であることが多く、まずは意識的に水分を取って様子を見るのが正解です。

 一方で、「即日の対面受診」が必要な危険信号があります。発熱、吐き気、震え、脇腹や背中の痛みがある場合です。これらは感染が腎臓にまで及んでいる(腎盂腎炎など)可能性があり、重症化を防ぐために医師の直接の診察が不可欠です。

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