全身の情報がぎっしり 「舌」は健康のバロメーター
身だしなみのために毎日鏡で顔を見ても、舌までじっくり見る人は少ないはず。だが、皮膚より薄い粘膜に覆われ、血管も多く集まる舌は身体情報の宝庫。舌を見れば、体の調子や病気のサインまで分かるという。
「チェックすべきポイントは、舌の形、大きさ、色、舌苔です」と言うのは、東京薬科大学付属社会医療研究所教授で、長春中医薬大学客員教授の猪越恭也氏だ。
近年、西洋医学の現場でも導入され、注目度が高まっている中国伝統医学では、顔の観察を通して患者の健康状態を知ることが診察の基本になる。中でも、舌を診る「舌診」は重要だという。
「舌は粘膜が薄いうえ、血管が多く集まっているため、血液や体液の状態を知るにはうってつけの臓器といえます。つまり、健康のバロメーターなのです」
自分でもある程度は観察できる。その際、注意すべきは、「食べ物や飲み物の色が付いていると正確な色が分からないので、必ず歯磨きやうがいをすること」と、「健康な舌との比較になるので、毎日継続的に観察すること」だ。