ヨネスケさんが実践する楽しく生きるコツ…「新しい、面白い」には敏感で
ヨネスケさん(落語家/75歳)#19
「お客さまに笑っていただくのが生業ですが、当たり前のことだけど、私自身、四六時中笑っていられるわけじゃありません。そりゃ、言葉は気に食わないけれど後期高齢者で、ひとり暮らしだから、なんとなく塞ぎ込んでしまうこともある。前にもいいましたけど……。もちろん、具体的になんか厄介ごとを抱えているわけじゃないんですがね。そういう“年ごろ”っていうことですかね。同世代の人ならわかってもらえると思うんですが」
いくらかしんみりと語り出したヨネスケさん。だが、「でもね」と話を続ける。
「年は関係なく、誰にだって多かれ少なかれ悩みや不安はある。それがない人間なんかいませんよ。生きている楽しみっていうのは、それに負けないで、越えたりする先にあるわけですからね。楽しく生きようと思ったら、やっぱり、ちょっとはがんばらなくちゃいけないんですよ」
そんなヨネスケさんが、日ごろから心がけていることがあるという。
「昔のことを、ああだこうだと思い出して悔やんだり、悲しんだりしないことですよ。逆立ちしたって、やり直しはきかないんだから。もし、そうなりそうになったら、“ああ、いけねえ、いけねえ”って首を振って、暗いことを考える回路を切っちゃう。75歳だからまだまだ時間はあるけれど、ムダにできるほど時間はないですから(笑)」