去年の「日焼け止め」使っていい? 意外と知らない買い替え時期、あの場所での保管は極力避けて!/医師監修
古い日焼け止めの使用、本当のところは?
【美容のウソ・ホント】
SNSやYouTubeにさまざまな情報が溢れている昨今。美容について発信するアカウントも多く存在し、なかには同じテーマでも相反する意見を主張する人たちも。いったいどっちを信じればいいの?
そこで2人の医師に同じテーマを直撃。エビデンスや知見をもとに答えていただきました。今回の質問は、気になる【去年の日焼け止めの使用】についてです。
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2人の皮膚科医からの回答は…
毎年新しい日焼け止めが発売される中、「去年開封した日焼け止めを今年も使い続けて大丈夫?」という疑問を持つ人も多いのではないでしょうか。一方で、「見た目に問題なければ使える」「もったいないから使い切りたい」という声もあり、判断に迷うところです。
そこで肌の専門家である医師に、日焼け止めの適切な使用期限についてうかがいました。
【回答:×】使わないほうが無難
もこスキンクリニック吉祥寺本院(東京都)
医療法人社団健麗会 理事長
高畠唯先生
開封後は酸素に触れて、成分が酸化されている場合があります。
肌荒れの原因になる可能性がありますので、使用は控えたほうが良いでしょう。
ミルクタイプ、ジェルタイプ、シャカシャカタイプなどにタイプ別の使用期限の違いについても特別な違いはありません。
【回答:×】肌質や状況が限られる
山内皮ふ科スキンケアクリニック(福岡県)
院長
山内大輔先生
最新の日焼け止めは、単に紫外線を防ぐだけでなく、肌を積極的に守り育む多機能なスキンケア製品へと進化しています。
汗・水・熱に反応してUVブロック膜が強くなる技術や、ナイアシンアミド、トラネキサム酸といった有効成分を配合し、シワ改善、美白、肌荒れ予防のトリプル効能を持つ製品も登場しています。
使用期限については、一般的に未開封の場合は製造日から約3年、開封後は品質劣化のリスクがあるため1年以内に使い切ることが推奨されています。
使用期限を過ぎた日焼け止めは、紫外線防止効果が低下するだけでなく、含まれる成分が変質して肌に刺激を与える物質に変化したり、雑菌が繁殖しやすくなったりして、肌荒れなどの肌トラブルの原因となることがあります。
日焼け止めの安定性をタイプ別に解説
また、日焼け止めの剤形によって安定性が異なります。
1. ジェル・乳液・クリームタイプ
未開封約3年、開封後約1年。ジェルタイプは水分量が多く変質しやすいため、開封後は特に早めに使い切ることが推奨されます。
2. スプレータイプ
容器の気密性が高く、中身が空気に触れにくいため、未開封でも開封後でも約3年と比較的長期間使用可能です。
3. スティックタイプ
固形タイプで水分量が少ないため比較的安定しており、約1〜2年使用できます。
4. クッションタイプ
パフで直接中身に触れる構造のため雑菌が繁殖しやすく、開封後は半年以内を目安に使い切ることをお勧めします。
5. 無添加・低刺激タイプ
防腐剤などの保存料が少ない傾向にあるため、未開封で約1年、開封後は約半年と使用期限が短く設定されています。
日焼け止めの保管方法と買い替えの目安は?
山内先生からは、日焼け止めの保管や買い替えについてもアドバイスをいただきました。
1. シーズン毎の買い替えを習慣に
特に開封後の使用期限が短いミルク・ジェル・クリームタイプや無添加タイプは、毎年新しいものに買い替えましょう。
2. 保管場所の徹底
高温多湿や直射日光を避け、涼しい場所(室温20〜25℃程度)で保管することで、製品の品質劣化を遅らせることができます。車内や窓際など、温度変化の激しい場所での保管は避けましょう。
3. 開封日の記録
製品の底などに油性ペンで開封日を記入しておくと、使用期限を管理しやすくなります。
4. 使い切りを意識した購入
大容量の製品は魅力的ですが、使い切れるかどうかも考慮して購入しましょう。複数のタイプを使い分ける場合は、それぞれの使用期限に注意が必要です。
去年の日焼け止めは「使わない」がベター
去年の日焼け止めの使用について、両医師とも「使わない方が良い」という見解で一致していました。
タイプによって安定性は異なりますが、いずれにせよ開封後は1年以内を目安に使い切ることが重要みたい。
肌トラブルを避けるためにも古い日焼け止めの使用は控え、毎年新しいものを購入するのが安心といえそうです!
(コクハク編集部)