首位快走の日本ハムが警戒すべきはソフトBより西武の意外…名球会会員・山崎裕之氏が語る西口監督の胆力
「パ・リーグ全体を見渡しても、今年の日本ハムが優勝に一番近い位置にいるのは間違いない」
こう言うのは、名球会会員でロッテ、西武OBの山崎裕之氏だ。
6月30日現在、パ・リーグは首位日本ハムから4位西武まで4.5ゲーム差の大混戦。その中でも2位オリックスに2.5ゲーム差をつける日本ハムは、清宮幸太郎、野村佑希、万波中正らフレッシュな若手野手がリーグ最多の66本塁打をマークする強力打線を形成。同じくリーグトップのチーム防御率2.32を誇る、投手力も大きな武器だ。
■先発完投の流れ加速
山崎氏が続ける。
「打線の破壊力はリーグ屈指、若手の育成、外国人選手を含めた編成もハマっている。さらに、就任4年目を迎えた新庄剛志監督(53)の考えがチームに浸透していることは大きい。特に投手陣は、先発投手の完投数がリーグ断トツの15という数字を見てもわかるように、先発の状態が良ければどんどん完投させる。投手もそれに応えるスタミナを兼ね備えている。新庄監督は就任直後の2021年冬に、『中6日で100球は嫌、中5日なら分かるけど、中6日なら130から140球くらいは投げてほしい』と要望した。その後の3シーズンの積み重ねもあって、今や先発完投は珍しくない。この新庄監督の考えに他球団の監督も影響を受けたのか、先発投手に、より長いイニングを求めるケースが増えています」
リーグ戦再開となった27日からの西武3連戦(ベルーナドーム)では、リーグトップの8勝をマークする伊藤大海が初戦に8イニング、2戦目の山崎福也こそ6イニングで降板したが、3戦目の21歳・達孝太は1失点でプロ初完投勝利を挙げた。
「抑えは柳川大晟、田中正義ら日替わり起用になっているが、やはり先発の充実度はリーグトップクラス(先発防御率2.17)。絶対的な抑えがいないライバル球団も多く、先発の出来が今季の優勝争いに大きな影響を及ぼすでしょう。その点では、ソフトバンク(同2.66)やオリックス(同2.87)に比べて有利な位置にいるのは確か。昨季優勝のソフトバンクの追い上げも見ものですが、日本ハムがむしろ警戒すべきは、前年最下位からの巻き返しを図る西武(同2.24)ではないか」(山崎氏)
西武の先発陣は日本ハムに勝るとも劣らない。左右エースの今井達也(6勝2敗、防御率1.32)、隅田知一郎(7勝3敗、同1.52)に加え、武内夏暉(3勝2敗、同3.34)、渡辺勇太朗(5勝4敗、同2.09)、高橋光成(2勝4敗、同2.38)の5本柱に加え、菅井信也(5勝3敗、同2.63)、与座海人(2勝1敗、同2.97)の6~7番手まで揃っている。