(1)無添加はむしろ危ない…食品添加物は安全性が確認されている

公開日: 更新日:

 いまや食品添加物(添加物)を使った加工食品は食品の多くを占め、なくてはならない存在だ。ところが、添加物を毛嫌いする人は多い。「食品の中に化学合成物質をいろいろ混ぜるのは怪しい」「昔の食品は純粋で安全だった」「無添加が良い」と考える人は少なくない。しかし、「無添加はかえって危険」と言うのが「正しい添加物講義」(㊑ウェッジ)の著者でもある、日本食品安全協会代表理事の長村洋一・鈴鹿医療科学大学客員教授だ。話を聞いた。

「添加物が危険で無添加が安全というのは誤解です。そもそも野菜や果物、肉や魚といった食品自体が化学物質の塊で、その成分には未知の化学物質も多い。その食品の保存や加工などに用いられるのが添加物なのです。食品衛生法により添加物は、安全性と有効性を科学的に評価し、安全な使用法を定めて厚生労働大臣が指定しているので安全性は高いと言えます」

 一方、「無添加」は食品業界共通の定義さえなく、表示は業者任せの時期が長く続いた。定義がないから安全性や有効性も調べようがない。添加物入り原材料を使いながら加工時に使っていないから「無添加」とするなど、消費者の誤解や誤認を招く表現も多かった。そのため消費者庁は2022年に「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」を策定。規制に乗り出している。「保存料無添加食品は安全」というのは間違いだという。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  2. 2

    国分太一が社長「TOKIO-BA」に和牛巨額詐欺事件の跡地疑惑…東京ドーム2個分で廃墟化危機

  3. 3

    仰天! 参院選兵庫選挙区の国民民主党候補は、県知事選で「斎藤元彦陣営ボランティア」だった

  4. 4

    ドジャース佐々木朗希 球団内で「不純物認定」は時間の問題?

  5. 5

    ドジャース大谷翔平に「不正賭博騒動」飛び火の懸念…イッペイ事件から1年、米球界に再び衝撃走る

  1. 6

    遠野なぎこさんか? 都内マンションで遺体見つかる 腐乱激しく身元確認のためDNA鑑定へ

  2. 7

    京成電鉄にのしかかるオリエンタルランド株の重荷…物言う株主の揺さぶりには抵抗も厳しい“お家事情”

  3. 8

    近年の夏は地獄…ベテランプロキャディーが教える“酷暑ゴルフ”の完全対策

  4. 9

    今度は井ノ原快彦にジュニアへの“パワハラ疑惑”報道…旧ジャニタレが拭い切れないハラスメントイメージ

  5. 10

    小泉進次郎農相がSNSで難クセ連発の理由…JA会長を名指しで晒し上げ連日大炎上