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春日良一五輪アナリスト

長野県出身。上智大学哲学科卒。1978年に日本体育協会に入る。89年に新生JOCに移り、IOC渉外担当に。90年長野五輪招致委員会に出向、招致活動に関わる。95年にJOCを退職。スポーツコンサルティング会社を設立し、代表に。98年から五輪批評「スポーツ思考」(メルマガ)を主筆。https://genkina-atelier.com/sp/

本命・田嶋幸三サッカー協会前会長がその気になった途端、“反発する勢力”が動き出した

公開日: 更新日:

 橋本聖子日本オリンピック委員会(JOC)新会長が誕生した。

 JOCが日本体育協会から独立した1989年以降、5人の歴代会長はすべて、水面下で一本化されてきた。評議員会で新たに選ばれた理事による理事会で推挙された者を全会一致で選んできたのだが、今回は初の投票による選出だった。

 本年3月下旬に第10代国際オリンピック委員会(IOC)会長がIOC委員の選挙によって決まったことを受けて、JOC会長も「民主的に」立候補と選挙で決めるべきだと一部のメディアや一部の現役JOC理事も声を上げていた。それに応じたかのように今回は日本サッカー協会(JFA)前会長の田嶋幸三、JOC前副会長で会長職代行の三屋裕子と橋本の3人が立候補し、過半数を得るまで投票による選考を行ったのである。

 果たして「民主的」選挙は成功したのだろうか?

 思い出されるのは2021年2月、東京五輪パラリンピック組織委会長の森喜朗女性蔑視発言により辞職を余儀なくされ、橋本聖子五輪担当大臣がその職を辞して、組織委会長に就任した顛末である。当初、川淵三郎(JFA元会長)の名が取り沙汰されていたが、森がその擁立に動いた情報が漏れ、政府が「透明性」を求める形で、選考検討委員会が設けられ、そこで橋本聖子に内定したのであった。

 当時、森を「父」のように慕う橋本に決まったことを「透明性」の結果として、世間は受け入れざるを得なかった。しかしその実態は火中の栗を拾う人が誰もいない中で、森が納得し森に忠誠を誓える人材に白羽の矢が立ったのだった。

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