マネーは米国から欧州へ…プレミアムブランドの成長力に託す
投資マネーが米から逃避しているといわれる中で、注目を集めているのが欧州のプレミアムブランドだ。仏エルメスは米国市場ですべての商品カテゴリーで値上げに踏み切り、トランプ関税の影響を相殺する動きを見せている。ピクテジャパンによると、「プレミアムブランド企業には、強力な価格決定力があり、関税コストを消費者に転嫁することは比較的容易」という。
直近では中国の需要低迷などの影響を受けているが、長期で見ればプレミアムブランドは比較的安定的に成長している。実際にエルメスの株価は2020年初めから現在までの5年強で約207%上昇。同じ期間にS&P500の上昇率が約100%であることを考えると、かなり好成績といえる。
日本の富裕層もプレミアムブランドを支えているようだ。特に35歳以下の新富裕層の消費が活発だという。ラグジュアリーカードによる「2024年の新富裕層の消費動向調査」によると、「エルメス パリ店」でのラグジュアリーカード取扱高が前年比で約1331%に急増したという。同様に時計の「ロレックス」の店舗取扱高も同約531%に増加した。富裕層の消費は物価高とは無縁のようだ。