野良猫の減少に思うこと…「地域猫」の広がりの一方で、生粋の日本猫はどんどん減っていく
先日、親友の獣医師と電話で話していると、ある話題で盛り上がりました。「最近、乳飲み子の子猫を保護することがなくなったよね」ということです。
野良猫の繁殖期は春先が多く、60日ほどの妊娠期間を踏まえると、ちょうどいまが乳飲み子や子猫に遭遇するシーズン。地方に医院を構える親友は神社の境内や公園などの草むらに子猫がいたようで、毎年この時季に子猫を保護した方が来院されていたようですが、今年はゼロ。東京・世田谷区にある当院も、昨年はやや成長した子猫を保護して飼いたいという相談が3件あったのみで、今年はゼロです。
親友との話などから推察されるのは、全国的な野良猫の減少傾向だと思います。東京の下町で比較的野良猫が多いエリアとして知られる谷根千(台東区谷中と文京区の根津、千駄木の総称)でも、医院を営む親友の話では、野良猫が減っているそうです。
最近は野良猫を地域で面倒を見る「地域猫」という仕組みが広がっています。保護して避妊、去勢し、目印として耳をカットして地域に戻す。その背景には、衛生環境の問題があるのでしょう。ネズミやカラス、ハクビシンなどがゴミを荒らす一方、公共の場で糞尿をします。そこに野良猫もリンクされてしまったのでしょう。