著者のコラム一覧
若月澪子ルポライター

1975年生まれ。ジャーナスリト。大学卒業後、NHK高知放送局・NHK首都圏放送センターで有期雇用のキャスター、ディレクターとしてローカル放送の番組制作に携わる。結婚退職後に自殺予防団体の電話相談ボランティアを経験。育児のかたわらウェブライターとして借金苦や終活に関する取材・執筆を行う。生涯非正規労働者。ギグワーカーとしていろんな仕事を体験中。

「多死社会」に突入した「ゲット・ワイルド」な山谷は、超高齢化という「解けない愛のパズル」を抱いている

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【第11回・後編】敬老の日特集:多死社会を迎えた山谷は今

「人生100年時代のロールモデルがいない」――退職後のサラリーマンが迷走している。キャリア、居場所はリセットされ、年金不安時代は資産形成も「自己責任」。「人手不足」の号令の下、今日もシニアは働き続ける。『副業おじさん』『過労シニア』のルポライター・若月澪子が、奮闘し続ける令和シニアの素顔を追う連載。今回は3回にわたって東京のドヤ街「山谷」を特集する。

  ◇  ◇  ◇

(中編からの続き)

 大阪西成と並ぶ、日雇い労働者の街として名をはせた東京、山谷。今、この街は日本で特に高齢化した地域の一つになっている。

  令和7年発表の東京都福祉保健局のレポート(※)によれば、東京台東区の山谷地区のドヤ(簡易宿泊所)の数はおよそ120件。そのうちビジネスや旅行以外で暮らす定住者の数は1500人で、その8割が生活保護を受けている。

(※)山谷地域簡易宿所宿泊者生活実態調査(令和7年3月)概要

 ドヤ定住者の平均年齢は68.2歳、ほとんどが75歳以上の後期高齢者だ。日本全体の平均年齢が2026年現在、49.1歳(国立社会保障・人口問題研究所)であることを考えると、この数字の特異さがわかる。

 9月上旬、この超高齢化社会の未来予想図とも言える山谷を、筆者と日刊ゲンダイの坂下朋永記者は訪れていた。

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