狭い世界で生きるシニア男性が夢を託す大谷翔平は自身のアバターなのか? テレビの向こうで繰り広げられる「代理戦争」に自らを投影してしのぐ「人生の残り時間」
【第10回・後編】ペット依存気味シニアKさんの場合
「人生100年時代のロールモデルがいない」――退職後のサラリーマンが迷走している。キャリア、居場所はリセットされ、年金不安時代は資産形成も「自己責任」。「人手不足」の号令の下、今日もシニアは働き続ける。『副業おじさん』『過労シニア』のルポライター・若月澪子が、奮闘し続ける令和シニアの素顔を追う。
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(前編からのつづき)
愛犬ペロとの共依存気味の日常を明かしてくれた、大手自動車メーカーを10年ほど前に退職した、都内在住のKさん(74歳)。白髪に眼鏡、やせた体に清潔感のあるブランド物のポロシャツを着たダンディーなシニアである。
そんなKさんがもう1つ入れあげているものがある。メジャーリーグのロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平(32)である。
「大谷が試合に出ていない日は、時間を持て余してしまいますね。数独にYouTube、パソコンで麻雀ゲーム……そんなことで時間をつぶしていると、残り少ない人生の時間を無駄にしているような気がして辛いものがあります」
Kさんは普段、小学生の交通指導員として、朝晩登校中の子どもたちの見守りを日課としている。それも朝夕の1~2時間ほどの仕事なので、時間に余裕はある。愛犬ペロくんの散歩が終わると、あとはNHK・BSの大谷タイムだ。


















