著者のコラム一覧
若月澪子ルポライター

1975年生まれ。ジャーナスリト。大学卒業後、NHK高知放送局・NHK首都圏放送センターで有期雇用のキャスター、ディレクターとしてローカル放送の番組制作に携わる。結婚退職後に自殺予防団体の電話相談ボランティアを経験。育児のかたわらウェブライターとして借金苦や終活に関する取材・執筆を行う。生涯非正規労働者。ギグワーカーとしていろんな仕事を体験中。

巨人前監督のことは笑えない 妻や娘に容赦なく「キャンセル」される孤独オジサンの老後

公開日: 更新日:

【第8回・後編】無鉄砲に退職したHさんの場合

「人生100年時代のロールモデルがいない」――退職後のサラリーマンが迷走している。キャリア、居場所はリセットされ、年金不安時代は資産形成も「自己責任」。「人手不足」の号令の下、今日もシニアは働き続ける。『副業おじさん』『過労シニア』のルポライター・若月澪子が、奮闘し続ける令和シニアの素顔を追う。

  ◇  ◇  ◇

(前編からのつづき)

 色黒で、背が低く、ずんぐりとした、どこか憎めない「つぶらな瞳」のHさん(62歳)は今、無職。「仕事は何かしらあるだろう」とガス給湯器設置工事の職を1年半前に退職し、在宅の副業を探したものの、悪質な副業詐欺に遭い、100万円もの借金を抱えてセカンドステージの第一章が終了した。

 真面目に仕事探し始めたものの、62歳の再就職活動は今のところ全敗。ブルーカラー・ビリオネアなど、海の向こうの若者の話。退職金も貯金もなく、借金を抱えたシニアには、真夏の日差しが照り付けるばかりである――。

 そしてHさんは今、家庭内でも孤立を深めていた。

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