これは「多死社会を先取りした街」の姿だ! 「地域全体が老人ホーム」になったドヤ街「山谷」で、オヤジさんたちがカラオケを楽しむ居酒屋に突撃してみた
【第11回・前編】敬老の日特集:多死社会を迎えた山谷は今
「人生100年時代のロールモデルがいない」――退職後のサラリーマンが迷走している。キャリア、居場所はリセットされ、年金不安時代は資産形成も「自己責任」。「人手不足」の号令の下、今日もシニアは働き続ける。『副業おじさん』『過労シニア』のルポライター・若月澪子が、奮闘し続ける令和シニアの素顔を追う連載。今回は3回にわたって東京のドヤ街「山谷」を特集する。
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東京都の荒川区から台東区にまたがる山谷地区といえば、言わずと知れた日雇い労働者の街、ドヤの街である。
しかし近年、この地区の人口の7割は65歳以上の高齢者で、そのうち9割が生活保護者だと言われている。「超高齢社会の未来」が一足先に現出しているのが、山谷なのである。
2026年9月上旬。筆者は日刊ゲンダイの坂下朋永記者と共に山谷を訪れた。 JR南千住駅から泪橋交差点に向かうと、目の前には東京スカイツリーが曇天を貫く。そこが山谷だ。
「一泊2300円」と書かれたドヤ(簡易宿泊所)が立ち並ぶ街並は、昭和の面影というより、シャッター通りが続く地方都市のような静けさ。生活保護に支えられた経済圏は閑散としている。「何というか……ファストフード店がありませんよね」と坂下記者が指摘。確かに、都内では駅近くであれば牛丼チェーンやハンバーガー店、それに、ファミリーレストランがしのぎを削っているはずだが、そのような店は見当たらない。
















