日馬富士は年内にも書類送検へ 関係者全員から事情聴取も
横綱日馬富士の貴ノ岩への暴行事件を捜査している鳥取県警が、年内にも日馬富士を傷害容疑で書類送検する方針を固め、関係者への事情聴取や現場検証に本腰を入れている。
県警は17日に日馬富士に事情聴取を行い、日馬富士は「素手で十数発殴った。カラオケのリモコンでも殴った」と証言。ビール瓶を手にしたことは認めたものの、ビール瓶での殴打は否定したという。
しかし、一部関係者は「ビール瓶で殴った」と証言しており、貴ノ岩の師匠の貴乃花親方も日本相撲協会に「ビール瓶で殴られて、貴ノ岩の頭が割れた」と説明した。さらに、20日には、暴行事件の現場の同席者が「ビール瓶以外の酒瓶で殴った」との新証言も浮上している。
貴ノ岩側が10月29日に県警に提出した診断書によると、貴ノ岩は頭部に十数針縫う裂傷を負い、県警は傷の状態などから角のある硬い物で殴られたとみている。
実際にどのような暴力行為が行われたのかは依然混沌としたままだ。
そのため県警は、被害届を出した際に聴取を行った貴ノ岩に再度の聴取を行う方針だ。また、同席していたモンゴル人力士で九州場所を休場中の横綱鶴竜、関脇照ノ富士からも参考人として近く事情聴取を行うほか、同席した関係者全員から事情を聴く方針も固めた。ビール瓶での殴打を否定している横綱白鵬からも九州場所終了後に聴取を行う予定だ。
県警はすでに、事件現場となった鳥取市内のラウンジ個室の現場検証も終え、年内の書類送検に向けて着々と捜査を進めている。
来年1月の初場所の土俵で、日馬富士は見られそうにない。