「脳の誕生発生・発達・進化の謎を解く」大隅典子著

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 生存、思考をつかさどる脳が、たった1個の受精卵からどのようにして脳に成長していくのか。脳の配線の仕組み、ニューロンの生存競争の実情など、500ミリリットルのペットボトル3本足らずの重さの脳がどのようなプロセスを経て、一人前に成長していくかを解説してくれる。それのみならず、10億年という地球スケールで脳がどのように発達・進化してきたか、その道筋について最新の研究をもとに語っている。著者は東北大学大学院医学系研究科の教授で専門は脊椎動物の神経発生。

「脳トレ」以降、脳に関する書籍はブームになっているが、本書は脳という臓器そのものを研究者が書いており、興味深い。知的好奇心を満たせる一冊だ。

 (ちくま新書 860円+税)

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