「脳の誕生発生・発達・進化の謎を解く」大隅典子著

公開日: 更新日:

 生存、思考をつかさどる脳が、たった1個の受精卵からどのようにして脳に成長していくのか。脳の配線の仕組み、ニューロンの生存競争の実情など、500ミリリットルのペットボトル3本足らずの重さの脳がどのようなプロセスを経て、一人前に成長していくかを解説してくれる。それのみならず、10億年という地球スケールで脳がどのように発達・進化してきたか、その道筋について最新の研究をもとに語っている。著者は東北大学大学院医学系研究科の教授で専門は脊椎動物の神経発生。

「脳トレ」以降、脳に関する書籍はブームになっているが、本書は脳という臓器そのものを研究者が書いており、興味深い。知的好奇心を満たせる一冊だ。

 (ちくま新書 860円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    朝ドラ「あんぱん」教官役の瀧内公美には脱ぎまくった過去…今クールドラマ出演者たちのプチ情報

  2. 2

    中井貴一の“困り芸”は匠の技だが…「続・続・最後から二番目の恋」ファンが唱える《微妙な違和感》の正体

  3. 3

    大阪万博会場の孤島「夢洲」で水のトラブル続出の必然…トイレ故障も虫大量発生も原因は同じ

  4. 4

    渋谷区と世田谷区がマイナ保険証と資格確認書の「2枚持ち」認める…自治体の謀反がいよいよ始まった

  5. 5

    Kōki,主演「女神降臨」大爆死で木村拓哉がついに"登場"も リベンジ作品候補は「教場」か「マスカレード」シリーズか

  1. 6

    森友文書の一部欠落で財務省が回答…公表された概要リストに「安倍昭恵」の名前

  2. 7

    巨人阿部監督がオンカジ送検の増田大輝を「禊降格」しないワケ…《中心でなくても、いないと困る選手》

  3. 8

    早実初等部を凌駕する慶応幼稚舎の人脈網…パワーカップルを惹きつけるもう一つの理由

  4. 9

    オンカジ騒動 巨人オコエ瑠偉が「バクダン」投下!《楽天の先輩》実名公表に現実味

  5. 10

    迷走続く「マレリ・ホールディングス」再建…金融界の最大の懸念は日産との共倒れ