「謎とき エドガー・アラン・ポー」竹内康浩著
「謎とき エドガー・アラン・ポー」竹内康浩著
推理小説の元祖・ポーは「モルグ街の殺人」などの自作について「どこがすごいのだろうね?」と言ったが、実は自信をもっていたのだろう。推理小説は作家が出題者であり解答者でもあるが、その1人2役が問題なら、謎を作る人と解く人を分ければいいと。作家は事件の謎を提出するだけで、謎解きは読者に任せねばならないと考えて、「犯人はお前だ」を書いた。
ラトルボローの町でシャトルワージーという人物が殺される事件が発生する。この作品の最後に犯人が自白して事件は解決したように見えるが、著者はこの自白は、実は自白ではなかったと考える。
ポーの作品に隠された「巧妙な完全犯罪」を解明する。
(新潮社 1815円)