「砂に埋もれる犬」桐野夏生著

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「砂に埋もれる犬」桐野夏生著

 優真は、小学校に通っていれば6年になるはずだが、毎日、父親の違う4歳の弟・篤人と部屋で過ごしている。母親の亜紀と交際相手の北斗は出かけるといつも2、3日は家に戻ってこない。

 空腹に耐えかねた優真は、コンビニで店長の目加田に廃棄処分の弁当を譲ってほしいと頼む。規則で禁じられてはいるが、ネグレクトを疑った目加田は、廃棄予定の弁当を持たせる。

 ある夜、ゲームセンターに入り込んだ優真は、仕事に行っているはずの亜紀と北斗を見つける。自分たちを放置して遊び回っていることを知った優真は、許せない。亜紀に食ってかかるが、北斗に殴られ昏倒してしまう。優真の青あざに気づいた目加田の通報で優真は保護されるが、亜紀は篤人を連れて姿を消す。

 毒親に育てられた少年の葛藤を描く社会派小説。 (朝日新聞出版 1210円)



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