著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

日本人の飲酒習慣を新型コロナのパンデミックが変えた 日本衛生学会の公式ジャーナル論文

公開日: 更新日:

 新型コロナウイルスの世界的なパンデミックは、私たちの生活スタイルに大きな変化をもたらしました。飲酒習慣もまた、パンデミックの影響を受けた可能性が指摘されています。実際、コロナ禍においては飲酒の頻度が増え、アルコール依存症の患者が増加した可能性も報告されています。

 一方、コロナ禍ではさまざまなイベントが中止されたり、飲食店の時短営業が行われたりと、屋外で飲酒をする機会は減少した可能性があります。そのような中、新型コロナウイルスのパンデミックと飲酒習慣の関連性を考察した研究論文が、日本衛生学会の公式ジャーナルに2024年10月8日付で掲載されました。

 高知県の救急医療・広域災害情報システムを用いたこの研究では、2019~2023年の間に、医療機関に救急搬送された10万7013件の症例データが調査対象となりました。このうち、急性アルコール中毒で搬送された1481件のデータを分析し、飲酒習慣との関連性が考察されています。

 その結果、救急搬送全体に占める急性アルコール中毒の割合は、2019年で1.8%だったのに対して、2020年は1.3%、2021年および2022年は1.2%と大きく減少しました。2023年には1.3%と、わずかな増加傾向を認めましたが、2019年の水準には戻っていません。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    アッと驚く自公「連立解消」…突っぱねた高市自民も離脱する斉藤公明も勝算なしの結末

  2. 2

    クマが各地で大暴れ、旅ロケ番組がてんてこ舞い…「ポツンと一軒家」も現場はピリピリ

  3. 3

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  4. 4

    安倍元首相銃撃裁判 審理前から山上徹也被告の判決日が決まっている理由

  5. 5

    ドジャース大谷翔平が直面する米国人の「差別的敵愾心」…米野球専門誌はMVPに選ばず

  1. 6

    マツコ・デラックスがSMAP木村拓哉と顔を合わせた千葉県立犢橋高校とは? かつて牧場だった場所に…

  2. 7

    自民党は戦々恐々…公明党「連立離脱」なら次の衆院選で93人が落選危機

  3. 8

    今オフ日本史上最多5人がメジャー挑戦!阪神才木は“藤川監督が後押し”、西武Wエースにヤクルト村上、巨人岡本まで

  4. 9

    万博協会も大阪府も元請けも「詐欺師」…パビリオン工事費未払い被害者が実名告発

  5. 10

    ドジャース佐々木朗希の抑え起用に太鼓判も…上原浩治氏と橋本清氏が口を揃える「不安要素」