「驚くべきCIAの世論操作」ニコラス・スカウ著 伊藤真訳
米国の情報機関によるメディア操作の実態を暴いたノンフィクション。
2011年5月、米国は10年間追い続けてきたウサマ・ビンラディンを潜伏先のパキスタンで殺害した。公式発表では、CIAが潜伏先を突き止め、奇襲作戦を敢行したことになっている。しかし、実際はビンラディンは、その5年前からパキスタンの治安当局ISIの管理下にあり、ISIの将校が報奨金目当てでCIAに接触。その情報をもとにオバマ政権はISIと作戦を練ったという。偏った情報のリーク、脅し、優遇や冷遇を使ってメディアを操るそんなCIAの手口と、一方で情報を求めてCIAにすり寄るメディアや映画界の権力への追従ぶりをあぶりだす。
(集英社インターナショナル 760円+税)