「トップシークレット・アメリカ」デイナ・プリースト、ウィリアム・アーキン著、玉置悟訳

公開日: 更新日:

 9・11のあとアメリカでは安全保障関係の役所が急増した。本書口絵には首都にある対テロ指令センターの一覧系統図が出ているが、これが複雑怪奇。情報機関だけでもCIA、FBIのほかNSA(国家安全保障局)、DIA(国防情報局)、国家情報長官府、DEA(連邦麻薬取締局)があり、CIAの中にも対テロセンターと作戦センターがある。まるでタコ足配線だ。

 ワシントン・ポスト紙の連載に大幅加筆した本書によると最初はブッシュ政権時だが、情報開示を期待されたオバマ政権はブッシュ時代よりもひどいという。機密情報のリークに対する内部調査の激しさは格段に上がったのだ。議会も秘密保持強化に奔走する。特に今では選挙民のほうが保守化し、スパイ摘発のためならと監視を容認し、ジャーナリズムに対して厳しく当たるようになっている。FBIのような昔ながらの政府機関も対テロ防諜機関に変身し、福祉予算を削って膨れ上がる防諜予算をむさぼっている。

 しかしこんなアメリカを一体日本の誰が笑えるだろうか。(草思社 2600円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    北島三郎(3)「北島ファミリー」の長女・原田悠里が語る御大

  2. 2

    バナナマン日村が簡単に復帰できそうにない「もう1つの理由」…レギュラー11本抱える人気者のジレンマ

  3. 3

    「マクドは健康保険と年金に加入できてよかった」 シニアが働き続けるために必要なこととは?

  4. 4

    東京・蒲田の2駅結ぶ蒲蒲線、大田区と地元を取材して分かった実現のハードルと地元の思い

  5. 5

    NHK夏の音楽特番「うたであえたら」は北川景子のMCが見事 カオスと化した近年の紅白はお手本に

  1. 6

    菊池風磨はジャニー喜多川氏の“推薦”もあって慶大総合政策学部に進学 仕事の合間に1日10時間の猛勉強

  2. 7

    KDDIが楽天モバイルへの「ローミング」終了でライバルの“品質低下”を狙い撃つ

  3. 8

    豊昇龍が長期離脱で大の里までピンチ! “ひとり横綱”の重圧で「共倒れ」にならないか

  4. 9

    徳川光圀(1)水戸黄門は全国漫遊などしていない 主に出かけたのは江戸と領地の往復

  5. 10

    永野芽郁がキャバ嬢で「復帰」もM!LKファンやきもき…共演するかもしれない佐野勇斗への“キラー”ぶり警戒