「トップシークレット・アメリカ」デイナ・プリースト、ウィリアム・アーキン著、玉置悟訳

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 9・11のあとアメリカでは安全保障関係の役所が急増した。本書口絵には首都にある対テロ指令センターの一覧系統図が出ているが、これが複雑怪奇。情報機関だけでもCIA、FBIのほかNSA(国家安全保障局)、DIA(国防情報局)、国家情報長官府、DEA(連邦麻薬取締局)があり、CIAの中にも対テロセンターと作戦センターがある。まるでタコ足配線だ。

 ワシントン・ポスト紙の連載に大幅加筆した本書によると最初はブッシュ政権時だが、情報開示を期待されたオバマ政権はブッシュ時代よりもひどいという。機密情報のリークに対する内部調査の激しさは格段に上がったのだ。議会も秘密保持強化に奔走する。特に今では選挙民のほうが保守化し、スパイ摘発のためならと監視を容認し、ジャーナリズムに対して厳しく当たるようになっている。FBIのような昔ながらの政府機関も対テロ防諜機関に変身し、福祉予算を削って膨れ上がる防諜予算をむさぼっている。

 しかしこんなアメリカを一体日本の誰が笑えるだろうか。(草思社 2600円)

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