「フランス人の性」プラド夏樹著
フランス女性の多くがハリウッド発の「#MeToo」に異を唱えた。そんなセクハラに寛容な風潮に疑問を抱いた在仏ジャーナリストが、フランス人の性意識を取材・分析したリポート。
きっかけは思春期を迎えた息子との性を巡るやりとりだった。日本で育った自分とは明らかに違うハーフの息子の性意識は、8歳から始まる学校での性教育で培われたものだ。日本とは全く異なるその詳細を紹介。かつては、性的モラルが日本よりも厳しかったというフランスが、なぜ変わったのか。
その源は1960年代に始まった性解放運動にあるという。大統領の不倫や浮気が発覚しても辞任に追い込まれず、高齢者も堂々と性を楽しむ彼らの性意識からフランス社会の素顔に迫る。
(光文社 820円+税)