「フランス人の新しい孤独」マリー=フランス・イリゴエン著、小沢君江訳

公開日: 更新日:

 フランスの精神科医が現代人の抱える孤独について論じた社会論。

 今、多くの人が孤独に苦しみながらも、シングルライフを選ぶ人が増えているのは、苦しみを抱えながらも、同時に静けさと自由を希求しているからだと分析。孤独は悪とされる一方で、特に女性は自立が奨励される。

 経済的にも性生活でも自立した女性は、自由を犠牲にすることを拒み、従来の夫婦生活はなくなりつつあり、関係が希薄なカップルが一般化しつつあるという。一方で、孤独は思わぬエネルギーとインスピレーションが得られる豊かな時間でもあると指摘。カウンセリングをした患者のエピソードを紹介しながら、現代を生きる男女の関係のあり方を見つめる。(緑風出版 2200円+税)


【連載】BOOKレビュー

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  2. 2

    横浜とのFA交渉で引っ掛かった森祇晶監督の冷淡 落合博満さんは非通知着信で「探り」を入れてきた

  3. 3

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  4. 4

    国宝級イケメンの松村北斗は転校した堀越高校から亜細亜大に進学 仕事と学業の両立をしっかり

  5. 5

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  1. 6

    日本人選手で初めてサングラスとリストバンドを着用した、陰のファッションリーダー

  2. 7

    【京都府立鴨沂高校】という沢田研二の出身校の歩き方

  3. 8

    「核兵器保有すべき」放言の高市首相側近は何者なのか? 官房長官は火消しに躍起も辞任は不可避

  4. 9

    複雑なコードとリズムを世に広めた編曲 松任谷正隆の偉業

  5. 10

    中日からFA宣言した交渉の一部始終 2001年オフは「残留」と「移籍」で揺れる毎日を過ごした