「猛老猫の逆襲」山下洋輔著

公開日: 更新日:

 山下洋輔はミャンマーの「国立交響楽団」と共演することになった。演奏後に知ったのだが、山下が弾いたピアノには大変な秘密が隠されていた。ピアノの中に植物が生えていたのだ。ピアノのフレームの下には調律用のピンが木製の板にねじ込まれている。何かの植物の種が落ちても、そこから栄養を取ることができる。湿度の高い環境なら、水分は空気中から取れる。だが、光は? 

 実はこのピアノは会場の倉庫ではなく、町の楽器屋の店頭に置かれていたのだ。こうして、光、水、栄養を確保した植物はピンの間から芽を出した。

 担当者はこのままでもピアノの音色には変わりがないので、山下に知らせなかったのだ。

 アクシデントを乗り越えながらの旅日記。

 (新潮社 1600円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がもしFA3連敗ならクビが飛ぶのは誰? 赤っ恥かかされた山口オーナーと阿部監督の怒りの矛先

  2. 2

    大山悠輔が“巨人を蹴った”本当の理由…東京で新居探し説、阪神に抱くトラウマ、条件格差があっても残留のまさか

  3. 3

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  4. 4

    大山悠輔に続き石川柊太にも逃げられ…巨人がFA市場で嫌われる「まさかの理由」をFA当事者が明かす

  5. 5

    織田裕二がフジテレビと決別の衝撃…「踊る大捜査線」続編に出演せず、柳葉敏郎が単独主演

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    ヤクルト村上宗隆と巨人岡本和真 メジャーはどちらを高く評価する? 識者、米スカウトが占う「リアルな数字」

  3. 8

    どうなる?「トリガー条項」…ガソリン補助金で6兆円も投じながら5000億円の税収減に難色の意味不明

  4. 9

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  5. 10

    タイでマッサージ施術後の死亡者が相次ぐ…日本の整体やカイロプラクティック、リラクゼーションは大丈夫か?