「ドファララ門」を上梓したジャズピアニストの山下洋輔氏に聞く

公開日: 更新日:

 天は二物を与える。奏でる音の独創性が世界中を魅了してやまないジャズピアニスト・山下洋輔氏は、エッセイストとしての文才も発揮している。最新刊「ドファララ門」(晶文社 2000円+税)では自らの音楽的ルーツに迫る。枠にとらわれない、多彩かつ多才なDNAはどこから来たのか? その源流はどうやら母方の家系にあったようだ。

 これはミステリーか、はたまたSFか!? 著者のルーツの謎をたどるうちに、時空を超えた不思議な感覚を味わえる自叙伝というのも極めて珍しい。

「即興演奏同様、あちこち飛ぶんですよ。面白い音に出合ったらパンと転調してしまうように。自分で読んでもイヤになるけれど、これも母方のDNA。しょうがねえ、と諦めてます(笑い)」

 90年刊行の「ドバラダ門」は、著者の父方・山下家の家系をたどる先祖探求本だった。今作では母方の家系に、自身の音楽的ルーツを探る旅だ。

「前作は母も元気だったので読んだと思う。不満だったようで、『小山家(母方)にも面白い人がたくさんいるのに』と散々言っていました。常識ではない面白いこと、楽しいことが好き。面白いと思えば際限なく言いふらす。良いと思えば躊躇せず褒める。とにかく根が素直で明るい人でした」

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    西武フロントの致命的欠陥…功労者の引き留めベタ、補強すら空振り連発の悲惨

    西武フロントの致命的欠陥…功労者の引き留めベタ、補強すら空振り連発の悲惨

  2. 2
    西武の単独最下位は誰のせい? 若手野手の惨状に「松井監督は二軍で誰を育てた?」の痛烈批判

    西武の単独最下位は誰のせい? 若手野手の惨状に「松井監督は二軍で誰を育てた?」の痛烈批判

  3. 3
    巨人・小林誠司の先制決勝適時打を生んだ「死に物狂い」なLINE自撮り動画

    巨人・小林誠司の先制決勝適時打を生んだ「死に物狂い」なLINE自撮り動画

  4. 4
    全国紙が全国紙でなくなる?「新聞販売店」倒産急増の背景…発行部数の激減、人手不足も一因に

    全国紙が全国紙でなくなる?「新聞販売店」倒産急増の背景…発行部数の激減、人手不足も一因に

  5. 5
    花巻東時代は食トレに苦戦、残した弁当を放置してカビだらけにしたことも

    花巻東時代は食トレに苦戦、残した弁当を放置してカビだらけにしたことも

  1. 6
    日本ハムは過去2年より期待できそう 新外国人レイエスが見せつけた恐るべきパワー

    日本ハムは過去2年より期待できそう 新外国人レイエスが見せつけた恐るべきパワー

  2. 7
    大谷はアスリートだった両親の元、「ずいぶんしっかりした顔つき」で産まれてきた

    大谷はアスリートだった両親の元、「ずいぶんしっかりした顔つき」で産まれてきた

  3. 8
    【中日編】立浪監督が「秘密兵器」に挙げた意外な名前

    【中日編】立浪監督が「秘密兵器」に挙げた意外な名前

  4. 9
    WBCの試合後でも大谷が227キロのバーベルを軽々と持ち上げる姿にヌートバーは舌を巻いた

    WBCの試合後でも大谷が227キロのバーベルを軽々と持ち上げる姿にヌートバーは舌を巻いた

  5. 10
    裏金自民に大逆風! 衆院3補選の「天王山」島根1区で岸田首相の“サクラ”動員演説は大失敗

    裏金自民に大逆風! 衆院3補選の「天王山」島根1区で岸田首相の“サクラ”動員演説は大失敗