「十字路が見える」北方謙三著

公開日:  更新日:

 ハードボイルドの新星としてデビューして以降、男気あふれる作家として多くのファンを魅了し、時代小説の分野でも快進撃を続けてきたバイタリティーあふれる著者。本書は、そろそろ70歳の大台が射程に入ってきた円熟の時を迎えて、ますます生きていることのうまみを凝縮させる日々を描いた自叙伝的エッセーだ。

 人生の十字路ともいえる分岐点で出合ってきたものは数知れない。タコやワカメなど自力で生け捕る野性味あふれる食へのこだわり、没原稿を書き続けた若き日の決意、触発された音楽や映画との出合い、カンボジア・モロッコ・東欧など旅での武勇伝、初心者マークでイタリア車のマセラティを購入し3日目に免停になったこと、小説の登場人物を殺してしまうときの心境、時代小説へかじを切ったときのエピソード、デビューから40年近く伴走してくれた編集者の定年など、時の積み重ねを経た語りは相変わらず豪快でユーモラスでもある。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のBOOKS記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    安藤サクラに朝ドラ奪われ…満島ひかり“超ワガママ”の裏側

  2. 2

    安倍首相は「年金資産」を北方領土とバーターする気だった

  3. 3

    大谷のア新人王を非難 東地区2球団の投手陣が右肘を狙う

  4. 4

    新人王でも来季は年俸7500万円 大谷の「大型契約」はいつ?

  5. 5

    日産ゴーン逮捕の裏側と今後 衝撃はこれからが本番だ<上>

  6. 6

    エ軍が大谷の復帰に慎重姿勢 あの日本人投手が反面教師に

  7. 7

    交渉前に「お断り」…FA浅村に蹴飛ばされたオリの自業自得

  8. 8

    ソフトBが“相場破壊” 浅村に大魔神&松井超えの札束用意か

  9. 9

    大みそかToshlとYOSHIKI“バラ売り” 「X JAPAN」どうなる?

  10. 10

    大人も答えられない「正しいあいさつ」を小2に押しつけ

もっと見る