「負ける建築」隈研吾著

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 新国立競技場の設計者がつづる建築論。

 本書は、1995年以降に発表した文章を編んだものだが、その間に阪神・淡路大震災をはじめ、オウム真理教事件や9・11同時多発テロなどがあった。賃貸よりも持ち家だった人が大きなダメージを受けた震災は、持ち家政策と、それに乗じて勢力を伸ばしたモダニズムの根幹を揺るがしたと指摘。

 また通常、宗教建築は建築の可能性を最大限に利用する。だが、オウムの施設は粗末なバラックで、薬物と奇妙なヘルメットによって建築の役割を置換しており、そこに著者は建築の危機を感じる。そして、テロは超高層建築のもろさを見事に視覚化した。

 こうした現実を前に、「象徴にも頼らず、視覚にも依存しない建築」についてさまざまな視点から考察する。

(岩波書店 1140円+税)

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