「はやぶさ2 最強ミッションの真実」津田雄一著
昨年12月、小惑星リュウグウからの「玉手箱」を地球に送り届け、新たなミッションに旅立った探査機「はやぶさ2」。7つの世界初を達成したそのプロジェクトの中心人物によるドキュメントである。
はやぶさ2の構想は、初号機の打ち上げ直後の2004年から始まった。6年後、紆余(うよ)曲折の末に初号機が劇的な形で星のかけらを持ち帰る「小惑星サンプルリターン」技術をやり遂げた。当初、2号機はターゲットとなる小惑星が異なるほか、初号機の再製作の色合いが濃かったが、09年ごろから地下探査がテーマに加わり、「インパクタ」という新技術の投入が決まる。
初号機からミッションに携わってきた著者が、プロジェクトの詳細とその舞台裏を明かす。
(NHK出版 900円+税)