唐 状況劇場が寺山天井桟敷に殴りこみ大乱闘

公開日: 更新日:

<1969年12月>

 劇団・状況劇場を主宰し、60年代から80年代にかけて、「アングラ四天王」のひとりとして注目されていた唐十郎(73)が69年に劇団員を引き連れて、同じく四天王のひとりと目されていた寺山修司率いる「天井桟敷」に殴り込みをかけた事件があった。ライバル視された2人は仲良く逮捕されるはめになった。

 12日午後11時35分ごろ、渋谷駅東口近くの路上でおしろいやアイシャドーを塗りたくった厚化粧の異様な姿の男性たちがもみ合っている。これは何事かとヤジ馬も集まってくる。もみ合いはエスカレートして殴り合いの喧嘩に。見かねた通行人が警察に通報した。

 渋谷署員が通報を受け現場に急行。乱闘している男たちを暴力行為現行犯で逮捕した。

 逮捕されたのは唐(当時29)、麿赤児(同26)、四谷シモン(同25)、不破万作(同23)ら状況劇場の劇団員7人、及び寺山(同34)ともうひとりの天井桟敷の劇団員の計9人だった。

 2劇団とも当時、世をときめかせていたカリスマ劇団。寺山と唐の2人は演劇以外にも若い世代のオピニオンリーダーとしてマスコミの寵児(ちょうじ)だった。この乱闘騒ぎの背景に何か奥深い意味でもあるのかと記者たちは渋谷署に集まった。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 2

    農水省ゴリ押し「おこめ券」は完全失速…鈴木農相も「食料品全般に使える」とコメ高騰対策から逸脱の本末転倒

  3. 3

    TBS「ザ・ロイヤルファミリー」はロケ地巡礼も大盛り上がり

  4. 4

    維新の政権しがみつき戦略は破綻確実…定数削減を「改革のセンターピン」とイキった吉村代表ダサすぎる発言後退

  5. 5

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  1. 6

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  2. 7

    粗品「THE W」での“爆弾発言”が物議…「1秒も面白くなかった」「レベルの低い大会だった」「間違ったお笑い」

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  5. 10

    巨人阿部監督の“育成放棄宣言”に選手とファン絶望…ベテラン偏重、補強優先はもうウンザリ