著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

「認知疲労」に対するカカオ成分の有効性…一瞬の判断を鋭くする

公開日: 更新日:

 脳は、状況の変化に応じて思考や注意の対象を柔軟に切り替えたり、必要な情報を一時的に脳内に保持し、新しい情報が入るたびに最新の状態に書き換えたりして、人の行動パフォーマンスを支えています。しかし、これらの認知活動が長時間に及ぶと、「認知疲労」と呼ばれる消耗状態を引き起こし、意思決定の速度を低下させたり、刺激に対する反応を鈍らせたりすることがあります。 

 過去に報告されている研究によれば、抗酸化物質を豊富に含む「カカオフラバノール」(カカオの果実の種子に含まれる栄養素)には、精神的疲労や認知機能を回復させる可能性が示されていました。そのような中、運動時における認知疲労に対するカカオフラバノールの有効性を検証した研究論文が、欧州行動薬理学会誌の2025年12月号に掲載されました。 

 この研究では、健常な日本人男性18人(平均22歳)が対象となりました。被験者は、カカオフラバノール500ミリグラムをカプセル剤で服用する高用量群と、同50ミリグラムをカプセル剤で服用する低用量群にランダムに振り分けられ、意思決定の速度が比較されました。

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