著者のコラム一覧
中村芝雀歌舞伎俳優

昭和30年11月20日生まれ(本名・青木貞幸)。6歳で初舞台を踏み、9歳で芝雀を襲名。3月、歌舞伎座で「中村芝雀改め五代目中村雀右衛門襲名披露三月大歌舞伎」を行う。

<第1回>襲名披露は今回が“初体験”のようなものなんです

公開日: 更新日:

 今年の初芝居、すなわち正月の歌舞伎公演は歌舞伎座、新橋演舞場、国立劇場、浅草公会堂の4カ所で開催されている。どこの劇場も客がよく入っているようで、興隆ぶりがうかがえる。中でも注目は、3月に5代目中村雀右衛門を襲名する芝雀が出ている歌舞伎座の舞台だ。芝雀は昼の部の「梶原平三誉石切」と夜の部の「雪暮夜入谷畦道」に出て、その好演ぶりが評判である。

 学生時代から50年近く歌舞伎を見続けてきた私としては、芝雀が現役で3本の指に入る女形と高く評価している。「雪暮夜――」の三千歳は姿形、台詞、所作、どれも満点で、遊女がお尋ね者の情夫・直次郎を恋う心情を可憐に哀感たっぷりに演じた。直次郎役の市川染五郎との息もぴったりで、それは素晴らしい出来栄えであった。

 芝雀は人間国宝、4世中村雀右衛門(平成24年没)の次男で現在60歳。兄の大谷友右衛門が立役(男役)専門とあって、主役を務められる「立女形」であった父の名跡を弟が継ぐ運びとなったわけだ。そこで今回、芝雀にインタビューした。

 役者としての足跡に加え、親子関係、役者仲間との交遊録、楽屋話などを通じて歌舞伎に馴染みの薄い読者に芝居の魅力を伝えられれば幸甚である。まずは再来月に披露興行を控える心境を聞いた。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  2. 2

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  3. 3

    亡き長嶋茂雄さんの長男一茂は「相続放棄」発言の過去…身内トラブルと《10年以上顔を合わせていない》家族関係

  4. 4

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  5. 5

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  1. 6

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  2. 7

    “バカ息子”落書き騒動から続く江角マキコのお騒がせ遍歴…今度は息子の母校と訴訟沙汰

  3. 8

    長嶋一茂が父・茂雄さんの訃報を真っ先に伝えた“芸能界の恩人”…ブレークを見抜いた明石家さんまの慧眼

  4. 9

    “Snow Manの頭脳”阿部亮平は都立駒場高校から“独学”で上智大理工学部へ 気象予報士にも合格

  5. 10

    横浜流星「べらぼう」ついに8%台に下落のナゼ…評価は高いのに視聴率が伴わないNHK大河のジレンマ

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    ドジャース佐々木朗希「今季構想外」特別待遇剥奪でアリゾナ送還へ…かばい続けてきたロバーツ監督まで首捻る

  4. 4

    中日・中田翔がいよいよ崖っぷち…西武から“問題児”佐藤龍世を素行リスク覚悟で獲得の波紋

  5. 5

    西武は“緩い”から強い? 相内3度目「対外試合禁止」の裏側

  1. 6

    「1食228円」に国民激怒!自民・森山幹事長が言い放った一律2万円バラマキの“トンデモ根拠”

  2. 7

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  3. 8

    辞意固めたか、国民民主党・玉木代表…山尾志桜里vs伊藤孝恵“女の戦い”にウンザリ?

  4. 9

    STARTO社の新社長に名前があがった「元フジテレビ専務」の評判…一方で「キムタク社長」待望論も

  5. 10

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは