人生に後悔はありませんでした…五輪メダリストの藤井瑞希さん難病との闘いを語る

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藤井瑞希さん(元プロバドミントン選手/37歳)=再生不良性貧血

「再生不良性貧血」と確定したのは、2022年夏でした。26、27歳から毎年続けていた人間ドックでいつものように検査を受けたら、2日後に「もう一度血液検査をしてください」と連絡があり、かかりつけのクリニックで検査をしてもらうと、白血球、赤血球、血小板の数値が低すぎるとのことでした。

 改めて大きな病院で血液検査をしたところ、「白血病の可能性がある」と告げられて、そのまま骨髄検査もすることに……。驚きました。でも、白血病だとしても初期だろうと思ったので、「仕事で地方に行くのですけど……」と先生に相談したら、「無理です。飛行機も無理」と言われ、事の重大さを知りました。

「結果は2~3日後に出ます。できればご家族と一緒に」とも言われました。ただ、生きるか死ぬかになるかもしれないと思ったとき、自分の人生を振り返ってみたら、後悔はありませんでした。不思議と「けっこう幸せだったな~」と思えたのです。

 バドミントンの試合で負けても、落ち込むよりどうやってプラスにしようかを考えるタイプなのです。どんなときもいいところを見つけて、そっちにマインドを持っていくのが得意というか。

 毎年人間ドックを受けていたし、お酒もたばこも口にしない。小学生の頃からトップ選手として食事運動睡眠など、自己管理、危機管理を培ってきたのです。遊びの約束があっても、体調に少しでも不安があればやめる小学生でした。ラーメンやお菓子はほぼ食べませんし、深夜食も取ったことがありません。これで病気になったら仕方ないじゃないですか。

 実家の熊本から母が来てくれて、一緒に「再生不良性貧血」という病名を聞きました。この病気は、自己免疫が誤って造血幹細胞を攻撃してしまい、血液中の白血球、赤血球、血小板が減少してしまう病気です。白血病とは別の病気ですが、白血病に移行する可能性はある病気だと言われました。

 私、じつは3歳ごろ、小児がんでした。大学病院に通っていたと母から聞きました。でも、突然がん細胞が消えたのだそうです(笑)。医学的には関係ないのかもしれませんが、自分の中でパズルがつながったような気がしたのです。

 でも本当に病人らしい苦悩がないんです(笑)。オリンピックにも出たし、親には親孝行しようと思って接してきたし、友人も絆重視で接してきたし、旅行もたくさんできた。なので、母に「私、人生大満足です」と言ったくらい。でも、それが母には私が人生を諦めたように聞こえたようだったので、「もちろん治療は頑張るよ」と慌てて付け加えました。私としては、これまでの人生が100点だったと思っていることを褒めてほしかっただけなんですけどね(笑)。

 治療は免疫抑制剤の服用です。白血球などの数値がこれより下回ったら入院必須というギリギリの数値でした。入院と通院の2択で私は通院を選び、2週間に1度、病院で検査を受けました。

 免疫を下げる薬なので、外出は禁止。「大気中のゴミやカビで感染するから」と言われて、2022年9月から翌年1月まで家から一切出ませんでした。当時たまたま大学院に在学していたので、暇を持て余すことなく、オンラインで勉強に専念できたからいいタイミングでしたけど。

 薬は劇的に効くことはありませんでしたが、数値が悪くなることはなく、この3年半ほぼ横ばいを維持しながら、ほんの気持ち程度ずつ上がってきている状況です。

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