漫談家ユリオカ超特Q 観客20人でも単独ライブ「Q展」決行の矜持
「もともと、観客約150人の2公演でやらせていただいていました。公演数を倍にし、オンラインでの有料配信も同時にやっても、収益という面だけでみたら、トントンというところまでもいっていないのが実情です」
■「ぼくにはこれしかない」
緊急事態宣言下での興行続行で賛否両論あった「新宿末広亭」など都内5つの寄席の興行運営費とすべく、「落語協会」と「落語芸術協会」はクラウドファンディングを5月からスタート。支援金額は8000万円を超えたと報じられた。苦境はお笑いタレントやミュージシャンたち、彼らの活躍の場であるライブハウスも同じだが、こちらにはそんな支援活動はないに等しい。ユリオカは元サラリーマンで、芸歴約30年のベテラン。
「簡単に稼げる仕事ではないのは、分かっていたつもりです。何の保証もないのも覚悟の上。分かって飛び込んだくせに、生活不安にさいなまれ、頭を抱えてます。生活不安もですが、ステージで思い切り表現できないストレスが想像以上にきてますね」
先日そんな胸中を日刊ゲンダイに語ってくれたが、ステージでは逆境すら笑いにする底力を発揮。惜しみない盛大な拍手は観客たちのエールに聞こえた。