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三枝成彰作曲家

1942年、兵庫県生まれ。東京芸大大学院修了。代表作にオペラ「忠臣蔵」「狂おしき真夏の一日」、NHK大河ドラマ「太平記」「花の乱」、映画「機動戦士ガンダム逆襲のシャア」「優駿ORACIÓN」など。2020年、文化功労者顕彰を受ける。

日本人の「知性低下」を露呈した東京五輪…政治家も官僚も私利私欲に走る

公開日: 更新日:

 オリンピック開催招致のための票が買われる瞬間を目撃したことがある。いまから四半世紀近い昔のことだ。

 当時懇意にしていた超やり手広告マンのAさんと海外にご一緒した際に、「お客さんと食事をするので、ついてきてほしい」と言われた。招かれたのは個人宅で、相手はアジアの某国のIOC委員だという。その席でAさんが切り出したのは、間近に迫ったIOC総会のことだった。次期オリンピックの開催地が委員の投票で決まる。Aさんは「ぜひ日本に1票を」と頼み込み、相手は了承した。すでにAさんは亡くなられて久しく、もう時効だと思って記すが、票の買収が実際にあると知って驚いた。

 その1票を手に入れるため、委員の子女の米国一流大留学の斡旋や現地での生活費の算段まで広告マンが世話をするという。見事“ご成約”のあかつきには、その費用を広告代理店はクライアントの企業に負担させる。その見返りに広告代理店は、カネを出した企業のスキャンダルや、伏せておきたい不都合な情報が世の中に出ないよう、マスコミを押さえるのに一役買うという巧妙な仕組みだ。

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