「本日ノ亡者 娑婆ノ縁尽キテ」津田美幸著

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「本日ノ亡者 娑婆ノ縁尽キテ」津田美幸著

 大村浩一郎は小学校卒業後、跡継ぎが戦死して後継者がいなくなった唯願寺に養子に入り、「密門吽海(うんかい)」となった。現在83歳の老僧だ。

 ある日、入院中の檀家総代から、令和9年の御本尊御開帳に立ち会えないので総代を辞するとの手紙がきた。唯願寺の本尊は定朝様式の如意輪観音坐像だが、秘仏として60年に一度しか開帳しない。K博物館から、「国境のみほとけ」展を計画しているので本尊を貸してほしいとの依頼があったが、断った。

 その後も博物館の倉橋から何度も依頼がくる。密門吽海は、倉橋にどえらい秘密の話を叩きつけてやろうかと思った。

 現役の僧侶が書いた秘仏をめぐる物語。 (朝日新聞出版 1870円)

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