望まない蘇生を防ぐ「DNAR」という選択…現状と課題
先日、がんや老衰などで終末期を迎えた高齢者が、蘇生措置を望まない意思をあらかじめ文書で示しておくことや、119番通報で到着した救急隊が、かかりつけ医の指示によって蘇生措置を中止できるようにする動きが、各地の医療現場で広がりつつあるという内容のネットニュースを目にしました。
このように、患者さん本人、あるいはご家族や代理者の意思決定を受けて、心肺蘇生法を行わないことをDNAR(Do Not Attempt Resuscitation:蘇生不試行)と呼びます。
一般的にDNARの合意が得られていれば、老衰やがん末期の患者さんなどが心肺停止となった場合に、蘇生処置を行わないことを選択し、そのままお看取りを行うことになります。
これまでも、蘇生の見込みがなかったり、体への負担が大きかったりする場合、処置を望まない患者さんやご家族は少なくありませんでした。そのため、医療現場によっては同様の対応が取られてきました。
しかし、日本では患者の医療拒否権について、いまだ明確な社会的合意が形成されているとは言い難い状況です。実際、DNARの実施に関するガイドラインについても、公的な形で統一された発表はなされていません。


















