著者のコラム一覧
吉田隆記者、ジャーナリスト

1984年に写真週刊誌「FRIDAY」の創刊準備メンバーとして専属記者契約を結ぶ。87年の大韓航空機爆破事件では、犯人の金賢姫たちが隠れていたブダペストのアジトを特定、世界的に話題となる。初代「張り込み班チーフ」として、みのもんたや落合博満の不倫現場、市川染五郎(現・松本幸四郎)や石原慎太郎の隠し子、小渕恵三首相のドコモ株疑惑などジャンルを問わずスクープ記者として活躍。

<94>通夜の晩「ブンヤ風情が偉そうに」と絡んできた赤ら顔のM

公開日: 更新日:

「大体なあ、おまえはでしゃばりなんだよ。通夜も仕切っていたじゃないか。なあ」

 横のSに同意を求めた。

「そうだよ」

 Sもうなずいた。

「で、何が言いたいんですか?」

「分からないのか」

「分かんないですねえ」

 私の反骨精神に火がつきだした。外見上はおとなしく見えるし実際におとなしいのだが、スイッチが入ると喧嘩上等で好戦的な本性が現れてくる。

「オレのほうが社長と長い付き合いなんだから」

「それで?」

「つべこべ言うんじゃないよ。だからでしゃばりなんだよ」

「では通夜も葬儀もMさんが仕切ってくれればよかったじゃないですか。葬儀屋さんが来たときにあなたもいましたよね。どうして『オレがやるから』って言わなかったんですか? オレは一度も仕切ると言った覚えはありませんよ。葬儀屋さんがオレを頼りにして、会計は担当の佐山さんに任せたというのが事実じゃないですか。何もしないでオレのことを責めるのは、お門違いだということが分かりませんか? オレは1円の報酬ももらっていないんですよ。感謝されこそすれ、批判される理由は、これっぽっちもありませんから」

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