「お年寄りは古典を喜んで聴くけど、これでいいのかなと疑問も」

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 講談師と小説家を兼業する茜は、上手に両立させている。

「講談の高座は仕事場までの往復を入れても短時間ですが、小説は時間がかかります。不器用な私は掛け持ちができないので、寄席出演が3カ月くらい休みの間に集中して執筆します。書き上げてからがまた大変で、編集者のダメ出しがあります。多い時で10回くらい書き直します。娘が今24歳なんですが、同い年の入社2年目の女性編集者にダメ出しされてます(笑)。悔しいけど、当を得ているので言うこと聞いてます。直さないと本にしてもらえないので」

 最新作は昨年12月に刊行された「下北沢であの日の君と待ち合わせ」(光文社)である。ぜひご購読願いたい。

 講談師としての現状はどうなのか。

「神田派の姉弟子たちが、皆さん女性の弟子を取って、女流が増えてます。でも古典をやる人ばかりで、新作をやる人が少ない。伯山さんが古典で売り出したからかも知れません。寄席で古典をやると、お客さまに『がんばってる』と言われて、新作をやると、『なんだ、こいつは』といった冷たい視線で見られる。それで私も、しかたなく古典をやることが増えました。一応お客さんに聞くんですよ。『新作もできますが、古典のほうがいいですか?』って。するとお客さんが、一斉に『うん』ってうなずく(笑)。

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