病気なのは誰?「トランプ錯乱症候群」が映すアメリカの異常事態
「Trump Derangement Syndrome=トランプ錯乱症候群」という言葉が、再びアメリカで注目されています。
トランプ錯乱症候群はもともと、トランプ氏を批判する人々を「理性的な反対者」ではなく、「トランプ嫌悪で判断力を失った人々」と見なす政治的レッテルです。
医学用語ではなく、正式な精神疾患でもありません。むしろ、これは反対意見の病理化です。批判の中身に反論する代わりに、批判する側の精神状態を問題にすり替え、罵倒するための手法と、専門家は指摘します。
しかし共和党の一部は、その説明に納得していません。国立衛生研究所に対し、これを「病」として研究させる法案まで提出しました。さらにミネソタ州では、州法上の「精神疾患」の定義に加えようとする法案も出されました。
こうした動きの背景には、トランプ氏の支持率低下があると考えられます。最新の世論調査ではトランプ氏の支持率は34%にまで落ち込んでいるものもあります。イラン戦争による原油価格高騰で一層悪化するインフレを受けて、経済運営への支持は33%まで下がっています。
支持が揺らぎ、11月の中間選挙への不安が高まる中で、反対派を「病気」と呼ぶ政治。だが本当に問われるべきは、批判者の精神状態なのか。それとも、異論を病気扱いしなければ支持を保てない政治の方なのか? そんな議論も広がっています。



















