『スロウ・ダウン』ダブルトラックのボーカルで「1964年のジョン」の迫力が半減
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アルバム『パスト・マスターズvol.1』(1988年3月7日発売)⑤
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■『スロウ・ダウン』
今回は1964年のジョンが歌った、リフが印象的なロックンロールを2曲。
「リフ」とは、曲の中で定常的に繰り返されるフレーズのこと。
この曲でいえば、ピアノがずっと繰り返す「♪ドドドド・ドドドド・ミミソラ・ッソラソ」(キーは「C」)のことを指す。
この『スロウ・ダウン』、私の採点は低い。
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気になるのはジョンのボーカルがダブルトラック(2回重ね)になっていることだ。せっかくイキのいい「1964年のジョン」の声の迫力が半減している感じがする。
あと、ジョージによるヨレヨレのギターソロも、さすがに推せない。
というわけで『スロウ・ダウン』を聴くなら、ビートルズよりも、まずはオリジナルのラリー・ウィリアムズ版だ。
もしくはキャロルの解散コンサート版もいい。ライブ盤『燃えつきる~ラスト・ライヴ』収録、矢沢永吉がリードボーカルを務める『スロウ・ダウン』は、得体の知れないパワーにあふれていて、ある意味ビートルズ版よりビートルズ的なのだ。
ま、こういうときもあるわな。ちょっとスロウ・ダウン。
■『アイ・フィール・ファイン』
こちらもリフが印象的な1曲。階名(ドレミ)で書くと、わけが分からなくなりそうなのでやめておくが、歌メロよりもリフが印象的だということは、誰もが認めるところだろう。演奏もなかなか難しい。
加えて、冒頭の「ブーーーーーン・ニョーーーーーン」という謎の音も、印象的だ。
当時「これは何だ?」と話題になったとも聞く。これ、いわゆる「フィードバック」と言われる音。
エレキギター経験者ならお分かりでしょう。(弦に手を触れずに)エレキをアンプに近づけると、ギターとアンプのスピーカーが共振して異音を発するじゃないですか。あの異音を使っているのだ。
というフィードバック。のちにジミ・ヘンドリックスが大胆に使って有名になる。ビートルズもまた大胆に使うのだが、それは、もうちょっと後のことで。
こちらは『スロウ・ダウン』ほど採点は低くない。むしろ低いのは日本公演における『アイ・フィール・ファイン』だ。
この難しいリフの曲をライブでやること自体、ちょっと無理があると思うのだが、何とももっちゃりしていて、あんまりフィール・ファインじゃなかったんだよな。
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