串田和美(俳優・演出家)が新作舞台『タイクツニック号沈没』を語る「“退屈”こそが豊かな時間では」

公開日: 更新日:

 2023年に20年間務めた長野県松本市の公共劇場の芸術監督を終えた後、休むことなく「フライングシアター自由劇場」を立ち上げ、旺盛な創作活動をしている俳優・演出家の串田和美の新作「豪華客船タイクツニック号沈没」が6月14日から吉祥寺シアターで上演される。人を食ったタイトルに込められた串田の思いとは……。

  ◇  ◇  ◇

 ──単語の最初と最後の文字以外の順番が入れ替わっても正しく読んでしまうのが「タイポグリセミア」と呼ぶ現象だそうですが、チラシを見て違和感なく「タイタニック号」と読んでしまいましたが。

「ハハハ、やっぱりそうですか。タイタニック号の事故をモチーフにして現代社会への皮肉を込めた作品なので、読み違えは想定内です」

 ──「タイクツ」がキーワードでしょうか?

「現代社会では退屈が苦痛なものとしてとらえられていますよね。特に若い人たちはタイパ(タイムパフォーマンス)と言って効率優先です。でも、私が子どもの頃は半日、ボーッと空の雲を眺めていても飽きなかった。“ゆったりした退屈”がこの上もない豊かな時間でした。戦後、日本は焼け野原から出発して、わずか80年で今の高度情報化社会になった。でも、これ以上、列車のスピードが速くなったり、過剰な便利さは本当に必要なのか。何か置き忘れているんじゃないかという恐怖心に似た思いがあるんです」

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    女性を巡る愛憎より友情が勝った永遠のバディー

  2. 2

    萩本欽一〈27〉坂上二郎さんは一番特別な人。あのボケは誰にもできないよ

  3. 3

    かつての「打率4割男」は期待外れで戦力外…西武・林安可は母国・台湾野手の低評価を覆せるか

  4. 4

    佐々木朗希と山本由伸は“抱き合わせ”だったのか…ドジャース入りの裏で「謎の日本人」が暗躍

  5. 5

    48年ぶり映画出演の由美かおるさんが語る 人生が変わった瞬間「11PM」「水戸黄門」エピソード

  1. 6

    佐々木麟太郎に「個別育成プログラム」…マーリンズ入りには低予算球団ならではの“うまみ”あり

  2. 7

    佐藤二朗の地上波ドラマはしばらく厳しいが…橋本愛の事態はもっと深刻

  3. 8

    佐藤二朗vs橋本愛ハラスメント騒動は「文春嫌い」「フジテレビ嫌い」「共産党嫌い」が絡み合うカオスに

  4. 9

    (3)「森保監督は『指揮官に必要な冷徹さ』を確固たる信念として持っています」

  5. 10

    小栗旬がハリウッド“資本”映画で主演も… トラウマ級の英語力と「スター」への高い壁