ミュージシャン永井真理子さんは今 10年の休業を経て「残りの時間はみなさんに捧げます」

公開日: 更新日:

永井真理子さん(ミュージシャン/55歳)

 バブル景気真っ盛りの頃、アニメ「YAWARA!」(日本テレビ系)主題歌の「ミラクル・ガール」や、「ZUTTO」などをヒットさせた永井真理子さん。ボーイッシュなショートヘア、力強く伸びのある歌声で、聴く人を元気にしてくれた。さて永井さん、今、どうしているのか。

  ◇  ◇  ◇

 永井さんに会ったのは、東京メトロ・銀座駅から徒歩5分の喫茶店。

「2017年に音楽活動を本格的に再開しました。それまで、実は10年近くお休みし、ブログに年2回、デビュー記念日と誕生日ぐらいしか近況報告をしていなかったんです。それなのに、デビュー30周年の17年に向けて、ファンの方が『何か動きがあるんじゃないか』とたくさん書き込んでくださって……。それを読むうち、『こんなに長い間、待っててくれているなんて』と涙がこぼれました。それに加え、昔の音楽仲間に『やろうよ』『場所押さえたから』と背中を押され、『やったるでー!』と、一気にエネルギーが湧いてきたんです。半年かけてボイストレーニングやランニングをして歌える体にし、再開後は多いときは年30本公演し、新曲やセルフカバーを配信とCDでリリースしています。ちょうどいい感じでやれていますね」

 永井さん、そう言って笑った。10年近くも休んだとは、何かあったの?

「デビューしてからずっと忙しかったので、海外暮らしを経験してみたくて、2003年に日本を離れ家族でシドニーに移住したんです。最初の1、2年はアルバムを製作したりしたんですけど、急に時間ができて過去を振り返ってみたら、『自分はちゃんとやれてたのかな』『やり残したことばかりで、年だけとったんじゃないか』と自信をなくし、ステージで歌っていたことが夢の中の出来事のように思えてきました。そんな心境では人前に立てません。『そろそろまたやろう』『いや、もういいんじゃない』などと心の中でずっと葛藤しながら、日々の生活を送っていました」

 家族というのは、1993年に結婚したツアーバンドのギタリストの夫と、96年に誕生した1人息子だ。

「息子が小学校に上がるタイミングで移住しました。最初は米国や英国を考え下見をしたんですけど、豪州の方が人種差別が少なく子供にとっていいと感じシドニーにしました。でも、そもそも英語がわからないので苦労の連続(笑)。そのぶん、家族が力を合わせないと生きていけず、絆が深まりましたね。子供を現地の公立学校に入れ、私はお弁当を作って持たせ、毎日車で送り迎えし、息子がテニスにハマっていたので練習に付き合い……普通のお母さんとして、家族に尽くしていました(笑)」

 しかし、ご主人は? 仕事はどうしていたのか。

「作曲やプロデュースをしていたので、日本にいなくてもネット上でできるんです。レコーディングのときだけ帰国していました」

 なるほど。

「シドニーは庭にフクロウが来るような自然がいっぱいで、学校教育は自由だしで息子が気に入って、結局、10年間いました。でも、やはり自分の生まれた日本も知ってほしいという思いなどがあったので、高校進学に合わせて帰国しました。今はもう社会人。音楽は趣味でやっています」

 母親が歌手だったと知ったのは帰国してからだそう。さぞ、自慢の母親だろうなあ!

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    ビートたけし「俺なんか悪いことばっかりしたけど…」 松本人志&中居正広に語っていた自身の“引き際”

  2. 2

    《もう一度警察に行くしかないのか》若林志穂さん怒り収まらず長渕剛に宣戦布告も識者は“時間の壁”を指摘

  3. 3

    元フジテレビ長谷川豊アナが“おすぎ上納”告白で実名…佐々木恭子アナは災難か自業自得か

  4. 4

    フジテレビに「女優を預けられない」大手プロが出演拒否…中居正広の女性トラブルで“蜜月関係”終わりの動き

  5. 5

    フジテレビ騒動で蒸し返される…“早期退職アナ”佐藤里佳さん苦言《役員の好みで採用》が話題

  1. 6

    "家族総出"で話題の長渕剛「桜島ライブ」延期と引退報道…ファンからは《あの問題説明して》と懇願

  2. 7

    若林志穂さん「生活保護受給」をXで明かす…性被害告発時のアンチ減り、共感者続出のワケ

  3. 8

    中居正広は「地雷を踏んだ」のか…フジテレビに色濃く残る“上納体質”六本木『港会』の存在

  4. 9

    中居正広氏は37年で築いた資産喪失の瀬戸際…不動産複数所有で倹約家も「違約金+α」の脅威

  5. 10

    フジ・メディアHD経営刷新委に吉田真貴子氏の名前…"高級和牛ステーキ接待"で辞職→天下り疑惑の元総務官僚

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ビートたけし「俺なんか悪いことばっかりしたけど…」 松本人志&中居正広に語っていた自身の“引き際”

  2. 2

    阪神・藤川監督が酔っぱらって口を衝いた打倒巨人「怪気炎」→掲載自粛要請で幻に

  3. 3

    「二刀流」大谷翔平と「記録」にこだわったイチロー…天才2人の決定的な差異

  4. 4

    中居正広氏は37年で築いた資産喪失の瀬戸際…不動産複数所有で倹約家も「違約金+α」の脅威

  5. 5

    フジテレビにとって“CMスポンサー撤退”より危険な「致命的リスク」とは? 企業危機管理の専門家がズバリ

  1. 6

    “天皇”日枝久氏しか知らない「ジャニーズ圧力」「メリーの激昂電話」 フジテレビは今こそ全容解明を

  2. 7

    橋本環奈『おむすび』はNHK朝ドラ視聴率ワーストほぼ確定…“パワハラ疑惑報道”が致命傷に

  3. 8

    巨人の50億円助っ人マルティネス 真面目でお人よしなだけに深刻な「2つの重圧」

  4. 9

    “かつての名門”武蔵の長期低落の深刻度…学習塾「鉄緑会」の指定校から外れたことも逆風に

  5. 10

    リアル店舗にこだわり続けるホビーショップ 経営危機からのV字回復は「脱 安売り」だった