萩本欽一(5)「親父はカメラ屋、母親はご飯も炊けない四国のお姫さまだった」
父がひっくり返った母の一言
萩本「私が寝る時にね。母親が歌うようにね。睦月・如月・弥生・卯月・皐月・早苗月・水無月……つってね。知らねえからさ、真似てそうやってたのよ。子守歌のように。それで覚えちゃったね、あと甲乙丙丁戊己庚辛壬癸……とかね。何なのって聞いたら『覚えたら得だよ』って。甲乙ってのはよく言うけど、丙丁戊己庚辛壬癸とかってぜんぜん知らないよね。でも何だと思いながら、いろんなことを小学校入る前に子守歌みたいに覚えちゃった」
増田「お母さまは当時、四国で4人しかいないタイピストだったんですってね」
萩本「うん。兄ちゃんに聞いたら『日本で4人しかいないタイピストだったんだぞおまえ』って言うから、母親に聞いたの。そしたら『大きい声じゃ言えないけど、四国で4人だよ』って(笑)」
増田「それでもすごくやっぱり家柄がいいっていうことですよね」
萩本「聞いたら、庄屋の箱入り娘で、親父に言わせると、普通のことを何にも知らなかったんだって。結婚して、親父が仕事終わってうち帰ってきたら暗い電気のところに正座してたっていうんだ。それで『夕ご飯は?』って聞いたら『ご飯はそういう人が炊くんだと思います』って(笑)。『そういう人はいないんですか?』って聞いてきて、親父が俺ひっくり返っちゃったよって」


















