萩本欽一(5)「親父はカメラ屋、母親はご飯も炊けない四国のお姫さまだった」
増田「それは一番成績が良かったからですよね」
萩本「いや、だって最初からよ。1年生で入って『級長は萩本君』って言って」
増田「先生に指名されたわけですね」
萩本「理解できなかった。いきなり級長って言われて。それからずっと級長。あとで聞いた話だと、親父の力があったみたい」
増田「お父さまが?」
萩本「うん。ちょうどそのとき親父の仕事の景気が良かったんで、学校に寄付したみたいなんですよ。全クラスにアルバムとか。カメラ屋だったんで、アルバムとかそういうのを寄付したんだね。それで級長。親父は上の学校へ行ってないんですよ。それでやっぱりもっと成功するには子供たちに勉強させて大学へ行かせたいから、級長にすれば勉強するだろうと思って。当時、昭和22、23年の頃だから」
増田「まだ旧制ですよね。国民学校」
萩本「いや、もう小学校だったよ。1年生の写真見たら制服を着てるのは4人しかいなかった。俺と、あと3人だけ。だから、勉強できるじゃないの。親父の景気がよかったの」


















