放送開始60周年の「笑点」 ギネス世界記録で名跡の凄さを再確認
先月に開催された「笑点60周年特別展」では、歴史を振り返るコーナーに三平の名前がなかったとか散々な言われようだ。しかし、ここで話題になるのはやはり名前があるからだ。
確かに「笑点」という番組には凄い名前が出てくる。中でも僕は故・三平さん(不定期出演)と林家木久蔵(88)の2人だ。木久蔵は、笑点出演中の07年に名前を木久扇と変え息子に2代目の名前を与えている。
この2人の初代がなかなかのもの。普通、落語家は大きな名跡を継ぎたいもので、例えば、林家こぶ平は祖父も名乗っていた正蔵を継いだ。
しかし、「三平」と「木久蔵」は2人が努力でビッグネームに育て上げ、すでに一枚看板となっている。だから2代目の息子は大名跡を継いだようなものなのだ。
亡くなった三平さんを取材した時のこと。スポーツ紙の記者たちが楽屋口で先代を囲んでいると、後ろから若い女性が「三平さん」と声をかけてきた。先代は「お嬢さん、怒っているんじゃありませんが、噺家に呼びかける際は“師匠”と言った方がいいですよ」と諭した。どうやら記者と勘違いしたらしい。横からお弟子さんが「師匠、この方はファンです」と言うと、三平さんは血相変えて「ええっ、三平と呼び捨てにしてください」と返して周囲を笑わせた。
三平さんは大衆に愛されることを何より大事にした。江戸時代から続く林家正蔵、三遊亭円生、古今亭志ん生のように、三平や木久蔵も「〇代目」と呼ばれることが名誉になりそうだ。



















