著者のコラム一覧
増田俊也小説家

1965年、愛知県生まれ。小説家。北海道大学中退。中日新聞社時代の2006年「シャトゥーン ヒグマの森」でこのミステリーがすごい!大賞優秀賞を受賞してデビュー。12年「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」で大宅壮一賞と新潮ドキュメント賞をダブル受賞。3月に上梓した「警察官の心臓」(講談社)が発売中。現在、拓殖大学客員教授。

加納典明(1)56年前、草間彌生と芸術的なクロスをした「FUCK」

公開日: 更新日:

写真家・加納典明氏(83)

 小説、ノンフィクションの両ジャンルで活躍する作家・増田俊也氏による新連載がスタートします。各界レジェンドの一代記をディープなロングインタビューによって届ける口述クロニクル。第1弾は写真家の加納典明氏です。

  ◇  ◇  ◇

増田「若い頃から憧れていた典明さんにお会いできて光栄です」

加納「こちらこそ。増田さんの名前は『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』とかの暴れっぷりで知ってます。あれなんか、物凄く話題になったから部数も売れたでしょう」

増田「僕はある意味で典明さん世代の芸術家のチャイルドなんです。だから常に先鋭的でありたい。木村政彦本では先鋭を目指したわけではないですが、結果的にエッジの利いたものになってるのは典明さんたちの影響を多大に受けているからだと思っています」

加納「そう言われるとうれしいね。若い世代の表現者から」

増田「いやいや、もう59歳ですから(笑)」

加納「まだこれから何でもできる。俺なんて83歳だけどバリバリだよ。これからまだ挑戦者としてやっていくよ」

増田「やっぱり典明さんはすごいですね。今回の企画はこれまで他のマスコミを通じて作られてしまった典明さんの背骨の部分、本当の姿に、400字詰め原稿用紙換算350枚から400枚くらいかけて深く迫ろうというものです。1週間かけて大量の資料を読み込みましたが、インタビューとか対談、過去から現在までたくさんの記事が残ってます。でもどれも表面をさらりとなぞったものばかりです。まず尺が短すぎる。400字詰め原稿用紙換算で1枚とか2枚、せいぜい3枚から4枚かな」

加納「そうだね。そんなものだろう」

増田「興味本位ののぞき見趣味で加納典明の姿を歪め、典明さんが誤解されるもとになっています」

加納「どうしてもそうなっちゃうよね」

増田「マスコミの求めに応じて踊らされてエキセントリックに取り上げられて」

加納「1時間とか2時間でちょっとしゃべって撮影してだとそれしかできないからね。向こうが求めてる言葉もわかるからリップサービスしちまう」

増田「あんな短い記事で何が語れるのかということですよ。だから今回は本当にディープにいきたい。最初から核心を言いますと、僕が今回、まずお聞きしたいのは草間彌生さん*のことなんです」

※草間彌生(くさま・やよい):現代日本を代表する芸術家・画家。96歳。1929年松本市生まれ。京都市立美術工芸学校絵画科卒。幼いころから統合失調症の幻覚や幻聴をもとに水玉や網目模様の独特の絵を描きはじめる。1957年に渡米しニューヨークを拠点に男根オブジェなどをモチーフとしたインスタレーションを繰り返す。1969年、渡米した加納典明が乱交パーティーを撮影した「FUCK」が話題となり、日本でも大ブレーク。現在は都内の精神科病院に入院しながら、毎日、門の外に建てたアトリエに通って作品を描き続けている。ルイ・ヴィトンが巨額の権利料で草間の絵をバッグや財布などに採用していることでもその巨匠ぶりがわかる。

加納「ああ。そういうことですか。なるほど……」

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