「1+1」井上荒野著

公開日: 更新日:

「1+1」井上荒野著

 俳句結社「水軍」で一緒に活動している同人・拓郎に自宅での夕食に誘われていた遥子は、拓郎の娘・茜から電話をもらい、訪問を中止するか行くべきかを考えた。もともと3人で食事をする約束だったけれど、茜はそもそも参加する予定ではなかったというのだ。10年前に離婚し、男はこりごりだと思っていた遥子にとって、男女問わず人を魅了する拓郎は友達以上恋人未満の気の合う男だった。けれどほかの同人との付き合いとは違う一歩踏み込んだ誘いだと気づき、どこかうれしく思う自分がいたのだ……。(「鱚のフライと白ビール」)

 料理と飲み物のペアリングを軸にして、それを巡る人と人との関係性を描いた24編の掌編小説集。「アゲマキの網焼きと缶チューハイ、凍らせたレモン添え」など、酒が進みそうな料理とのペアリングもあれば、「クリスマス餃子と子供シャンペン」「味噌汁とホットケーキ」などの意外な組み合わせも。

 俳句結社を中心に、多彩なキャラクターの人間模様が展開。それぞれが心に抱えるもやもやが、食を通して人とつながることで明るくなっていく様子にほっこりさせられる。

(潮出版社 2200円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐藤二朗の地上波ドラマはしばらく厳しいが…橋本愛の事態はもっと深刻

  2. 2

    小池栄子が一番の被害者? 佐藤二朗“ハラスメント騒動”に足引っ張られた「さよならノワール」の評価は上々

  3. 3

    戸郷が離脱、則本メッタ打ちで巨人が緊急補強へ…候補に挙がる「オリックス投手」の名前

  4. 4

    安青錦は「カラダ」より「アタマ」に課題…2ケタ勝利で大関復帰を果たせるか

  5. 5

    『ひよっこ』再放送記念、神回「ビートルズがやって来る」再録

  1. 6

    福山雅治も結婚後は苦戦…亀梨和也も正念場を迎えている

  2. 7

    佐藤二朗騒動の余波!「福田組」の長澤まさみへの“ハラスメント”舞台挨拶の悪ノリ動画が再注目…女性視聴者は嫌悪

  3. 8

    山田涼介が「令和最強アイドル」と評されるワケ…主演ドラマ「一次元の挿し木」は玉森裕太を三歩リード

  4. 9

    高市首相が衆院集中審議に“出たくない”とブー垂れ…身内の自民国対「もう疲れ果てた…」ヘトヘトのお気の毒

  5. 10

    ベタ折れで肝いり法案断念の維新 吉村代表と馬場前代表にミゾで「国会組」vs「大阪組」のバトル勃発