「1+1」井上荒野著
「1+1」井上荒野著
俳句結社「水軍」で一緒に活動している同人・拓郎に自宅での夕食に誘われていた遥子は、拓郎の娘・茜から電話をもらい、訪問を中止するか行くべきかを考えた。もともと3人で食事をする約束だったけれど、茜はそもそも参加する予定ではなかったというのだ。10年前に離婚し、男はこりごりだと思っていた遥子にとって、男女問わず人を魅了する拓郎は友達以上恋人未満の気の合う男だった。けれどほかの同人との付き合いとは違う一歩踏み込んだ誘いだと気づき、どこかうれしく思う自分がいたのだ……。(「鱚のフライと白ビール」)
料理と飲み物のペアリングを軸にして、それを巡る人と人との関係性を描いた24編の掌編小説集。「アゲマキの網焼きと缶チューハイ、凍らせたレモン添え」など、酒が進みそうな料理とのペアリングもあれば、「クリスマス餃子と子供シャンペン」「味噌汁とホットケーキ」などの意外な組み合わせも。
俳句結社を中心に、多彩なキャラクターの人間模様が展開。それぞれが心に抱えるもやもやが、食を通して人とつながることで明るくなっていく様子にほっこりさせられる。
(潮出版社 2200円)



















