長寿研究のいまを知る 番外編(4)「難聴」は寿命を縮めるのか

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 長寿につながる新たなカギとして「聴力」が注目されている。「聴力が寿命を左右する」との見方が、医療界で広がり始めているのだ。難聴は単なる加齢現象ではなく、全身の老化や死亡リスクと関わる可能性があるとの研究が相次いでいる。

 きっかけとなったのは、米国の疫学研究「国民健康栄養調査(NHANES)における聴力障害と死亡率の関係」だ。2015年、米国医師会雑誌「JAMA耳鼻咽喉科・頭頚部外科」に掲載された。聴力検査を受けた70歳以上のおよそ1600人を対象としたこの研究では、難聴が「寿命の警告サイン」である可能性が浮上した。

 さらに、2022年に公表されたNHANESに基づく再解析・拡張研究では、難聴の程度が重くなるほど死亡リスクが段階的に上昇することが示された。ハーバード大学&ソルボンヌ大学医学部客員教授の根来秀行医師が言う。

「この段階では聴力と死亡リスクについては関連が認められるものの、エビデンス(科学的根拠)としては確立された段階ではありません。ただ、その後の追試によって、その可能性は高まっています。さらに、高齢な難聴者が補聴器を継続的に装着した場合、寿命は延びるのか、という介入試験にも注目が集まっています」

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