著者のコラム一覧
下山祐人あけぼの診療所院長

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

生きられるまで生きたい…故郷への帰郷が支えた最期の日々

公開日: 更新日:

 80歳の患者さんは、3年前まで左官職人として働き、奥さまと2人で暮らしていました。2024年に前立腺がんと診断され、同年2月に手術。その時点ですでに肺と大腿骨への転移が見つかっていました。

 患者さんは抗がん剤治療を希望されず、翌年には症状緩和を目的に放射線治療を受けましたが、その際に担当医から「これ以上の治療は難しい」と説明を受けました。

 患者さんご夫妻は「経済的にも余裕がないので、できるだけ自宅で過ごしたい」と希望され、在宅医療を開始することになりました。

 自宅療養の手続きを進める中で、保険証の住所が実際に暮らしている新宿区ではなく、郷里の秋田県のままであることが分かりました。

「30代で上京した時に住民票を移そうとしたら、役所で“農家の長男だから移さない方がいい”と言われて、そのままなんです」

 患者さんはそう振り返りました。話を聞くと、秋田県には息子さんがいるものの、長く疎遠になり、ほとんど会っていないとのことでした。しかし患者さんは、「悔いが残らないように」と、これを機に故郷へ帰り、息子さんに会う決心をされました。私たちは、旅先で万が一のことがあっても対応できるよう、病状を記した診療情報提供書を持ち歩くよう提案しました。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    戸郷が離脱、則本メッタ打ちで巨人が緊急補強へ…候補に挙がる「オリックス投手」の名前

  2. 2

    巨人エース戸郷翔征の不振を招いた“真犯人”の実名…評論家のOB元投手コーチがバッサリ

  3. 3

    佐藤二朗騒動の余波!「福田組」の長澤まさみへの“ハラスメント”舞台挨拶の悪ノリ動画が再注目…女性視聴者は嫌悪

  4. 4

    孤立深まる高市首相…国会10日ぶり正常化でも続く“包囲網” 与党内からも反発の声噴出の自業自得

  5. 5

    ベネズエラの剛腕マチャドが今オフ、オリックスとの契約満了で日米争奪戦に発展か

  1. 6

    小池栄子が一番の被害者? 佐藤二朗“ハラスメント騒動”に足引っ張られた「さよならノワール」の評価は上々

  2. 7

    高市首相が衆院集中審議に“出たくない”とブー垂れ…身内の自民国対「もう疲れ果てた…」ヘトヘトのお気の毒

  3. 8

    山田涼介が「令和最強アイドル」と評されるワケ…主演ドラマ「一次元の挿し木」は玉森裕太を三歩リード

  4. 9

    白井球審への“侮辱行為”で退場した一部始終「何やおまえ、いい加減にしろよ!おまえも未熟なんだから…」

  5. 10

    沈黙貫く橋本愛vs佐藤二朗「週刊新潮」で反論の泥沼化…SNS連投で"自滅"を心配する声も